ご挨拶

ご挨拶

 健康とは、「完全な身体的、精神的及び社会的に全てが満たされた状態にあり、単に疾病または病弱の存在しないことではない」(WHO憲章)と定義されています。また、WHO(世界保健機構)は“No health without mental health”を原則に精神的に満たされた状態(Mental Well-being)を促進し、精神障害の予防、リカバリーの促進、意思決定への支援、および精神障害を有する人々の死亡率、罹患率、障害の低減を目標としています。現在日本では、未曾有の少子高齢化、人口減少時代や疾病構造の変化が進む「2040年問題」に向けて、地域共生社会を実現するために、一人ひとりのメンタルヘルスの維持・向上が益々重要になっています。一方では、患者数が急増している認知症や気分障害のほか、アルコール依存症、自殺などのメンタルヘルス問題が拡大しています。佐賀県は精神科病床数が510.0床あり、全国平均263.3床と比較してかなり多い状況です。さらに精神科病床の平均在院日数は306.1日(2018)と全国平均274.7日に比べてかなり長い特徴があり、より地域移行・地域定着に向けた支援が重要な地域性を有しています。そのため、身体的な医療ニーズに加えて、精神科医療ニーズと看護ニーズを併せ持つ精神障がいを有する人の増加に対応できるケアシステムの構築が求められています。研究室に所属する教員は、精神科看護、訪問看護、難病看護、慢性期看護など領域を跨いだ幅広い看護実践を生かし、あらゆる発達段階にある人々の精神的健康問題に対して対応できる実践力または研究能力を兼ね備えた人材の育成を目指しています。

精神看護学領域 藤野成美

教育

学士課程

学士課程では、精神看護の基本的概念およびを精神疾患の各々について理解し、精神障害を有する人に対して包括的支援ができるよう基本的知識を修得します。
担当科目:看護研究入門、精神看護学概論、精神看護学各論Ⅰ、精神看護学各論Ⅱ、精神看護学実習、卒業研究、統合実習、他

修士課程

修士課程(学位:看護学修士)では、講義やゼミを通して、質的分析や統計学的手法を修得し、精神看護学の発展に寄与できる基礎的研究能力を修得します。
担当科目:看護理論、精神看護学特論、特別研究Ⅰ〜Ⅳ、他

博士課程

博士課程(学位:医学博士)では、精神看護学研究における最新のトピックスや自らの関心に合わせてオリジナリティの高い研究に継続的に取り組み、英文誌投稿を目指します。
担当科目:総合支援医科学研究実習、他

社会貢献

  • 看護系の各専門学会の評議員や学会誌の編集委員やレビュワー
  • 看護系専門学校や他看護大学・大学院の非常勤講師
  • 佐賀大学附属病院や精神科病院の教育研修や研究指導
  • 佐賀中部広域連合 介護認定審査会委員